母の日

今日は〝母の日〟ですね。自分の母には、ミニバラの鉢植えを贈りました。三輪車型の可愛いバスケットが母にピッタリだな、と気に入ったものです。
義理のお母さんはギターが趣味なので、折り畳まないタイプの譜面台を贈りました。防音室まで完備して練習に励んでおられるそうなので、一層練習が楽しくなれば嬉しいです。

母、という字で思い浮かぶ曲といえば、ドボルザークの『母の教え給いし歌』でしょうか。チェコ語とドイツ語で作曲されたこの曲は、タイトルの訳され方も様々で、日本語名は、英語Songs My Mother Taught Me ”からの訳。
ドイツ語
では、「老いた母さんが歌うことを私にまだ教えてくれた時 Als die alte Mutter mich noch lehrte singen 」という題名と歌詞になっているそうです。

そして歌詞は、堀内敬三さんの訳によると

母がわたしに この歌を教えてくれた 昔の日
母は涙を 浮かべていた
今は私が この歌を子どもに教える ときになり
私の目から 涙があふれ落ちる


たったこれだけの短い歌ですが、言葉の一つ一つに想像が沸き上がるというか、様々な情景を思わせてくれる素敵な歌詞だなと思います。そしてもちろん、音楽も。この歌詞の美しさを際立たせる、流暢でありながらも時々立ち止まっては懐かしさや切なさを噛み締めるような曲ではないでしょうか。

フルートやバイオリン用に編曲された楽譜もあり、もちろん私も吹いたことはあるのですが、少し難しいことがありました。それは、伴奏との交わり方。楽譜も様々な形で出版されていますが、私の持っている楽譜では、フルートは2/4で書かれ、伴奏は6/8で書かれています。つまり、フルートのリズムとピアノのリズムは、小節の頭以外はほとんど合いません。
ピアニストはショパンの作品でお馴染みの技法のようですが、単音楽器のフルートは、あまり出会わない技法ですよね。
ですがこの伴奏とはっきりと合わないリズムが、また何ともいえない表情を与えてくれる、本当に素敵な曲で、いつか娘に聴かせてみたいな、と思う一曲です。