何となく、を明確にする

先日は加藤元章先生からの公開レッスンを受講してきました。
一曲目、モーツァルトのアンダンテ。決して難しくはないこの曲を、〝何となく吹かない“こと。一音一音に方向性と意味を持たせて演奏する事をテーマに吹きました。
加藤先生からのアドバイスで最も有難かったのは、トリルのお話。時代と共に様々な解釈がなされるトリルですが、今回もなぜ上からかけるのか、理由も含めて学ばせていただき、大変勉強になりました。
そして自分では気づかない、〝何となく“処理してしまっていた音。それらも全て加藤先生にはお見通しで、しっかりと指摘していただきました。

二曲目、ドビュッシーのシランクス。加藤先生の奏でる音色の深さに感動すると共に、間近でシランクスの響きに浸れた事に感激しました。
ドビュッシーという人間性と、ドビュッシーが好んだ音色。愛用した奏法。そして生涯かけてもどうしても表現出来なかった事など。
作曲家や曲の時代背景を知ってから演奏すると、音に対する自分の気持ちもまるで変わってきます。
自分だけでは気づけない視点から楽曲を見て、感じて、奏でる。先生からのレッスンを受けると、異なる方向から楽曲を見つめ直すきっかけをいただけます。

音符は平面に印刷されているけれど、決して平らでは無い。立体で、形もあって、奥行きもあって、大きさも、質量も、感触も温度もある。
様々な先生方から何度となく教えていただいた言葉を、改めて忘れてはならない大切な感覚だなと思い出しました。4月のSanDoコンサートに向けて、また気持ち新たに練習に励もうと思います。